「最近の窓は高性能なので、大きくしても寒くないですよー」って、よく聞きます。
高性能な樹脂窓や木製窓は確かに断熱性は高いです。
ですが…「断熱材」という観点で見ると少し違います。
窓の断熱性…数値的なロジックを、少し分かりやすい例えの計算して、角度を変えてみてましょう。
始めに…断熱性の高さを示すには、熱抵抗値(R値)というものがあります。
数値が高い↑ほど、断熱性能が高いですよーっと分かりやすく示したものです。
結構、寝袋とか毛布の断熱性を表すのによく見かけたりしますよね。
R値を導く為の細かい計算はここでは省きますが、
大体高性能樹脂窓のR値㎡・k/wは1.0程となります。そしてアルミ窓が0.28です。
比較として、壁に入れる一般的な断熱材(グラスウール16k100mm厚)がR値2.6程となります。 …こうしてR値で比較すると、何か見えてこないでしょうか?
つまり、一般的な断熱材の厚みが100mmでR値が2.6だと、
それはR値1.0の高性能樹脂窓を断熱材の厚みに換算してみると、約38.5mmという事になります。
そうです。
高性能な窓でさえ、一般的な断熱材(そこまで良い数字の断熱材ではありません)
と比較しても、概ね1/3程度の厚みなんですよね…
アルミ窓の場合…断熱材の厚みに換算すると、約10mmとなります。。1cmです。
考え方としては、おっきい2m×2mの正方形の窓開口に厚みたった1cm、
もしくは4cmの断熱材がはまっているだけ、と置き換える。
断熱性で考えるとそんなもんなのです。
そう考えれば、アルミ窓で大開口のおっきいリビング!
なんて考えたらとんでもない熱損失を生むわけです。
たった1cmの断熱材がのっぺり広がっているだけなのですから。
年間の光熱費が恐ろしくなるだけです。
いくら高性能な樹脂窓でも厚み40mmしかない断熱材…と置き換えれば、
窓の数や大きさも、深く考えるきっかけになると思います。
断熱は、最強なのは南側窓以外一つも無いのが最強です。
ですが、法規や生活性を考えるとあり得ません。
素敵な風景を切り取ることも、さわやかな風を入れるのも、窓が無いと出来ないですしね。
こういったところは、設計士の温熱計算の腕の見せ所になります。
とはいっても一昔前と比べ、窓の高性能化は素晴らしい進化です。
ほんとに熱損失が少ないレベルまでになってきました。
ここまで、窓の断熱性能を日々向上させてくれた企業努力に、感謝の一言ですね。
以上、すこしマニアックな話でした。
ぼそぼそ
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