窓には、アルミ窓・樹脂複合窓・樹脂窓・木製窓と種類があります。
最近は、そこに取り付くガラスも単板ではなく、複層ガラスやトリプルガラスとなっていて、昔と比べて断熱性能が格段に良くなりました。
建築では、窓が断熱上の弱点であり冬場は多くの熱の損失を生みます。
逆に夏場は多くの日射を室内に取り込む、という事です。
しかし、実際に窓がどれほどの日射に晒され、どれほどの熱をもっているかわかりませんよね。
今日は、窓をサーモグラフィーで比較したお話です。
窓は、設計によっては温熱的な恩恵をもたらす時もあれば、
青天井に室内を熱するヒーターにもなります。
窓2m角であれば、冬場でも直射日光が当たれば600W相当の熱を放射し続ける、いわばこたつになります。
無論、それを利用すれば、暖房など使わず冬場でも室温を上げることが出来、コントロールすれば無銭のヒーターとなります。
では逆に夏場、庇が無く日射を遮らない窓を見てみると、当然…
※9月の昼頃、アルミ樹脂複合窓のサーモグラフィーの様子(建築中の写真)
窓は42℃近い温度になっています。
赤を通り越して、白になってますね。
当然、室温はこの影響もあり35度以上、立っているだけで汗をかくレベルでした。
大事なのは、この直達日射をコントロールする設計と、使用する窓の種類。
冷暖房云々の前に、非常に大事な事ですのでしっかり考えたいですね。
そして、下記は、同じ時期で同じ時間帯の樹脂複層窓。方角は一緒で南
※9月の昼頃、樹脂複層窓のサーモグラフィーの様子(建築中の写真)
アルミ樹脂複層窓とは、枠温度で12℃差があります。
サーモグラフィーで見ると、熱の帯び方の違いが良く分かりますね。
つまり、窓の種類と日射コントロールが室温を左右します。
窓は、樹脂窓!と最近言われている理由が、このサーモグラフィーの結果です。
建物は窓と日射コントロールがしっかりしないと、温熱設計は出来ません。
冬場の窓の役割…夏の役割…しっかり目的をもって窓を使いましょう。
勿論、アルミ樹脂複合にも外部劣化に強い等良いところはありますが、
施主様の建築資金、温熱環境、メンテナンス性、意匠性、ランニングコストetc
すべてをしっかり考慮して吟味して、
窓を提案していくのが設計士の役割だと思います。
ぼそぼそ…