つい先日、石川県能登半島で震度7の大地震が起きました。
住宅の倒壊・半壊の判定は今もなお増え続けています。
地震による家屋倒壊に対し報道されている情報メディアは偏った情報が多く、また間違いも多いと感じました。
今日は地震と耐震性について住宅にフォーカスして呟いてみます。
そもそも地震に耐えうる住宅とは何か…一応基準として「耐震等級」というものがありますね。
私もブログでよく話しているやつです。
等級は1~3まであり、3が最高等級となり大地震でも倒壊半壊しないレベルの性能となります。
では…具体的に等級1とはどのレベルなのか。
いわゆる建築基準法に最低適合するレベルです。
ここからは基準法レベルとしましょう。
基準法レベルは、住んでいて度々遭遇する地震に対応するという名目で「損傷せず再使用できる」ものである事。
この基準法レベルは大きくても震度5強程度の震度法にしか対応していないのです。
これを良く言う地震加速度に置き換えて話をしてみます。
耐震等級とは、概ね基準法レベルを1の安全性とした時、等級2は25%アップ、等級3は30%アップする安全性となります。
大体、計算するとレベル1は地震加速度にすると196.2gal。概ね200galですね。
レベル2で250gal、レベル3で300galの地震加速度に対し「損傷せずに再使用できる」家屋になるという事です。
これは「震度」に置き換えると、大体等級1で震度5強、等級2で震度6弱、等級3で震度6強です。
(ただ地盤状況や周辺環境で変化してはきます。)
しかし今回は、一度に来るか来ないかの大地震の話。
なので、大地震の基準となる関東大震災を地震加速度の基準としてみましょう。
すると、基準となるレベル1が400gal、レベル2で500gal、レベル3で600galとなります。
概ね標準の2倍ですね。
この場合「震度」に置き換えると、等級1で震度6強、等級2で震度6強は楽勝、等級3で震度7となります。
しかしながら、今回のような大地震は阪神淡路大震災で900gal、東日本大震災で2900gal、石川の本地震で2800gal…
大地震を基準とした話に置き換えても、かけ離れた数値。
等級3でも損傷する可能性が見込めます。
こうしてみても地震加速度の理屈上での話ではありますが、等級3の性能は必須であると考えます。
そして、実際には建物の重量や、地盤状況、建物の偏心といった内容がここに+αして建物は揺れる訳です。
これは構造計算をすることで初めて加味される内容であり、構造計算をしない建物は考慮されません。
こう話してみると、構造計算をしていない建売、そこいらの注文住宅の危険性がより理解できたのではないでしょうか。
安全の根拠さえ説明のつかない建物で溢れています。
今回の大地震は、東日本にも匹敵する地震加速度であり、甚大な被害となっています。
今後も各地の活断層の活発化がみられるため、大地震は避けられないでしょう。
自宅を守る為にも、構造計算をしっかりして未曽有の災害に備える事も真剣に考えた方が良いと思います。
構造計算は20万前後の金額です。
命を守る投資と考えてみてはいかがでしょうか?
ぼそぼそ