長い間、日本の住宅の省エネ性能は世界から大きく劣る性能でした。
近年、省エネに特化した建築家や設計士の方々、大学の先生方が日本の省エネ性能が低すぎる現実と身体への悪影響を訴え続けた結果、ようやく政府が重い腰を上げました。
2025年に住宅の省エネ義務化が決定され、一定基準の性能の住宅以外は建築が不可能となります。
つまり、それ以前の性能で建てられていた省エネ性能の無い建売住宅や注文住宅は、既存不適格建築となり、資産価値がぐっと下がる住宅となります。
たった5年10年しか住んでいないのに、です。
「省エネ義務化は未来には必ず来る。」
真面目に省エネ住宅を設計する私達は、先生方、省エネ設計の先駆者の方々から、
長年ずっとそう言い聞かされてきました。
ようやく、省エネや断熱性が注目を浴び、政府を動かし、業界内で大きく動き出してきたのです。
しかしながらこの2025年の最新基準だとしても、
実は…この性能は世界からみて50年近く劣る性能です。
アジアだと韓国、中国よりも劣っています。
わかりやすく言うと、
室温は、真冬でリビングが13℃を下回る性能です…
このレベルがやっと義務化されます。
義務化されるだけでも大きな前進なので、大きな一歩です。
今までは、全て設計者にゆだねられていただけなので、少なくとも法整備されることで、
このレベルには絶対になるわけです。
言いたいことは、「未来を見据えた家づくり」をしましょう。という事。
今の基準で適合させても10年したらまた適合していなくなる可能性がある。
つまり既存不適格になりえる。資産価値はぐっと下がる。
私達はこの最新の基準レベルを、遥かに凌駕した省エネ性能の住宅を設計しています。
室温が18℃以上を無暖房で保てる住宅。
18℃って真冬に外が氷点下の時、室内で人間が36℃の体温を保てる最低の温度なんですよね。
少なくとも男女が快適であるレベルが下がらない、最低温度。
数十年後また省エネ法が改正しても、既存不適格になることはおそらく無いでしょう。
ちなみに、省エネだけでなく耐震もそうですよね。
お客さんに何も聞かれないと、普通の設計士さんは平気でただ法律を満たした「だけ」の
耐震性能でつくります。
そのレベルは理論上、震度6の地震に1度は耐えますが、2度は耐えられる設計ではありません。
あくまで法律は「人の命を生かす事。」
つまり1度目の地震で半壊しても、全壊じゃないから逃げれますよね?
逃げれば亡くなりはしないよね?
これが法律のスタンスです。
お家自体を守るように法律は出来ていません。
何度でも耐える設計は可能なわけですから、必ず耐震性も設計士さんに聞いてください。
性能を考えるなら、「今」良くても、「未来」はどうか…少し止まって考えてみませんか?
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