家の中で年がら年中どこでも室温が23℃位あったら、めちゃくちゃ幸せじゃないですか?
お風呂を出て寒いっ・・も無ければ朝起きて、さぶい・・も無い。
住宅を高性能化すれば、それらも無くなるわけですね。
しかし…ただ高断熱化して、気密化して~ってやるだけでは実は上記現象は平気で起こります。
もう一つ、「太陽に素直な設計」が出来ていなければいけません。
冬はしっかり太陽を窓から取り入れ室内を暖め、夏はしっかり太陽を遮る、
これこそが高性能住宅をつくる必須条件です。
そうすれば、高断熱であれば室温をキープできるようになります。
あとは、エアコンや季節によって通風・熱交換換気システムで温湿度をコントロールしてあげれば良いだけです。
だから、月ごとの太陽の角度・土地の方位・近隣の影の動きが土地を調査した際最も重要なのです。
では、窓と太陽の重要性を、冬を例に計算してみてみましょう。
条件として室温23℃を生み出したいと考えるとしましょう。
外は寒ーい真冬の0℃だと仮定すると、室内との「温度差」は23℃となりますよね。
ここからちょっと難しいかもしれませんが、ロジカルにお話しします。
窓を含め、熱の伝えやすさには熱貫流率(U値)というものがあります。
数値が低いほど断熱性能が高く熱を伝えにくいですよーと分かりやすく示したものです。
U値を導く為の細かい計算は省きますが、
大体高性能樹脂窓のU値W/㎡・kは、1~1.7くらいになります。
ではそれを踏まえ、窓から入ってくる熱量を計算してみましょう。
U値は1.7、昼間太陽に向けた窓の面積を20㎡(一般的な掃き出し窓×4面)、室内外の温度差は23℃。
すると1.7×20×(23-0)=782W/h となります。
(ホントはもっと、ガラスの日射取得何%~とか色々条件を考慮して計算しますが今回は省きます)
つまり、この窓4面から1時間当たり782Wの熱が、室内に入ってくるという意味です。
…と言われても。。分かりやすく例えると、
炬燵、ありますよね。あれ1台が発する熱量が概ね600W/h(コタツ1個分)ぐらいです。
つまり、あのポカポカ熱量が窓から室内に、ガンガン入ってくるわけです。
私たちは「ダイレクトゲイン」と呼んでいます。
左は現場のサーモ画像
アルミ樹脂サッシ
12月の昼頃撮影
太陽に素直でいればもう無料のヒーターがそこについてるわけで、
室温を23℃目指して暖め続けます。
これ、お金に換算したら、リビングを23℃にする熱量として6時間程同じ熱を与え続けるとしたら、
1日¥120かかります。
つまり光熱費¥3720/月 分かかる室内を暖める装置が無料で使えるってことですね。。すごい。
そう考えると、太陽と窓の重要性が分かりますよね。
だから、高断熱化しても窓からの太陽の恩恵を受けない限り、室温は寒いままなのです。
夏に関してはその逆で、遮ってあげればいいですよね。
…エアコンガンガン使いますからいいです、って人はそれでいいですが、
無料で室内暖められるなら方が良くないですか?
高断熱化しても、窓を「太陽に素直に設計」しないと、大きな恩恵を受けれないってことですね。
補足ですが、じゃあ「大きければ大きいほど窓は良いよね?」って考えになりがちですが、
そうもいきません。
このダイレクトゲイン…面白い実験があって、
南面を端から端まで目一杯大開口窓にしたら、青天井のように最高室温が上がり続けたって話。
放っておいたら、室温は40℃位まで上がります…
つまり、窓の大きさも「バランス」。
室温設計が出来なければ、適切な大きさも解らないという事なんですね。
以上、窓のお話でした。
ぼそぼそ