住宅には目指すべき断熱性能「HERT20」という指標があります。
いきなり、何ですかそれは。という感じですが、詳しくはまた別につぶやきます。
いわゆる、最低限の目指すべき断熱性能の指標のようなものです。
最近、省エネの研究者・技術者の方々が「室温規制」の無い日本に、初めて掲げていただきました。
そう。日本はなんと、「室温規制」がありません。
ヨーロッパ諸外国では、最低室温は18~23℃でなければならないと法令で規定されています。
WHOでは、居住者の健康被害を予防する観点より、冬期の室温を18℃以上に保つことを
推奨していて、小児・高齢者はもっと暖かくすることが必要である、と指摘しています。
ようやく「HERT20」により、日本でも室温の最低指標がようやく意識され始めました。
一応日本にも「次世代省エネ基準」というものが「HERT20」基準以前より存在するのですが、
最新のもので平成28年度の基準になります。
ところが、これは1999年(平成11年)に作られた11年省エネ基準が、
そのまま現在の基準になっただけなんです。
つまり、断熱性能の基準は20年以上進化していないのです…
この省エネ基準には1~4等級があるのですが、最高等級で4となります。
この等級は、最新等級だから安心!とはなりません。
なぜなら、この最高等級…すごく断熱性能が低いです。
わかりやすく一言でいうと、冬期のお家の室温が8℃を平気で下回ります。
これ、非常に危険な温度でして色々健康被害が出てきます。
例を挙げると、
高血圧症・循環器疾患・不眠・肌荒れ・カビによる呼吸器疾患・脳機能の低下・ヒートショック…
パワーワード過ぎないですか…?
これらの疾患の危険性が高まります。恐いですよね。
今の日本って、「全棟この等級4を適合義務にしましょう!」と話しているわけです。
欧州諸国・欧米と比べひたすらに劣っている現実がなんとなく判るでしょうか?…
未だにこの等級4+α毛が生えた程度の家を、「超高性能住宅!」と言っている企業もあります。
疑わしい場合、「断熱等級はいくらで、室温は何度くらいで過ごせますか?」
と聞いてみると、造り手の力と経験値が図れます。
じゃあ、最低限の断熱性能はどの程度が良いの…?となりますが、
"最低"でも関東圏にお住まい予定なら、指標の「HERT20」G2クラスを目指してください。
ざっくりまとめると、冬期室温が最低15℃程度でおさまるレベルです。
ですが、経験上私は最低限G2クラス+αで設計するように心がけています。
その方が、室温が安心できることが多く(特に北側の居室)、更に健康リスクも減らせます。
年間の冷暖房負荷も28年省エネ基準と比べ、半分以下まで減らせます。
年間10万以上冷暖房費に使っていたものが、4~5万で収まるようになるわけですから、
それだけでお財布に優しいですよね。
そうすれば、性能向上にかけたイニシャルも、ランニングでペイ出来ますしね。
(この辺のシュミレーションは、別の記事にあります。)
ちなみにこの「HERT20」G2クラスでも、欧米基準と比べると最低クラスです。。
勿論断熱は良ければよいほど良いです。
そこは予算と相談しながら、室温設計をして落とし込むレベルを
設計士と見極めましょう。
断熱性能…けして疎かにしてはいけません。ホントに、生活が嫌になりますから。。
ポカポカなお家で、子供達がパッとベットから起きて、素足で走り回るお家…
そんな方が良くないですか?
もっと突っ込んだ内容は、またつぶやいていきます。
ぼそぼそ
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