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執筆者の写真koharubi

太陽に素直な設計のステップ②

前回に引き続き、太陽に素直な設計の続きをお話ししたいと思います。


前回は周辺環境と太陽の動きを読み、それから間取りをプランするという所まで来ました。


これでようやくデザインを考えながら間取り作成です。


ある程度間取りが決まったら立体化し…


次は実際に3Dで太陽の日射シュミレーションを行います。


下は冬至の、太陽が一番低い一日のシュミレーションの様子。

こんな感じです。


この作業では、実際に年中あらゆる季節の太陽の動きを見て、必要なお部屋に必要な時間日射取得する解析します。


ここで同時に、屋根の軒の出を緻密に設計していきます。


西日の影響とかもぜーんぶ解析します。


そうすることで、夏と冬に最適な軒の出や必要な庇の位置が分かってきます。


今回の土地は、3方向が建物。


北南が駐車場なので、設計次第でかなり有効に太陽の恩恵を受けることが出来そうです。


そして同時進行でこんな感じで、建物の日照時間・日当たりを解析。


これらを見て分かる通り、これらのステップで緻密に窓を設置した結果、12月はリビングに多くの日射が入ります。


無料の暖房ですね。


そうは言われてもこの日射、どれだけポカポカなの?


これは計算すると、リビングに今回使用する窓・ガラスで仮定してざっと「3556W」の熱量となります。(細かい計算は省きます。。)


例えるならば、オイルヒーター3台をずーっと室内で照射し続ける熱量です。


電気代に例えると、5時間で444円くらいですね!


それが、タダという事です。


如何でしょうか?


太陽に素直な設計。


結構、大事じゃないですか?

最終的にこんな感じで夏と冬、日当たり解析は落ち着きました。


10時間しか太陽が出ない冬至でも、5~6時間はリビングに日射が入ります。


計算だとエアコンは全くいらずで生活出来ます。


逆に夏場、7月は大暑です。


こちらは一日を通し多くて2時間しか日が入らない設計にしました。


ここにプラスα、すだれやタープをかける予定なので、日照時間は実質0時間となります。


こうした緻密な解析が、Koharubi-lab.の得意なところで尚且つ丁寧な仕事です。


夏涼しく、冬温かい家を設計するために大事なステップです。


多分断熱を真剣にやっているいろんな設計士さんが言っていると思いますが、


断熱性能が高ければ良いってものではなく、こうした太陽に対する設計が一番大事です。


断熱性能高くしても、太陽という熱源が無ければどうやって室内を温めるの?って話ですね。


軒無くしてどうやって夏を凌ぐの?という事にも繋がります。


エアコンや設備に頼るのも良いですが、まずは基本の太陽に素直な設計を心掛けたいですよね。


次回は、断熱はどれくらいで、年間の冷暖房光熱費はいくらくらいになるのか?


最後まとめて、呟いてみようと思います。


ぼそぼそ。

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