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得てして、Ua値0.87W/㎡kは優秀なのか?

  • 執筆者の写真: koharubi
    koharubi
  • 13 時間前
  • 読了時間: 3分

最近は、性能競争が落ち着いてきましたね。

それもそのはずで省エネ基準が2025年に義務化され住宅の世界は大きく転換期となったからでしょう。


今ごろ性能断熱といっても遅い…という時代がやってきたという事です。


さて、そんな中でUA値というものをお聞きしたこともあるかと思います。


関東では0.87という基準ですが、各地域特性にあって違った数値があります。

簡単にまとめると小さいほど断熱性能が高いーみたいなイメージです。


これ、数字を聞いて皆さんはどのように感じるでしょうか。


高性能住宅に詳しい方からすれば、無暖房室温や冷暖房の効率・結露リスク等考慮しても決して高い性能とは言えないかもしれません。


実際、私自身も普段の設計ではUA値0.30前後を目安にすることが多く、断熱・気密性能は住まいの快適性や省エネルギー性を支える大切な要素だと考えて活動しています。


ただ、それでも私は思います。


UA値0.87の家は、本当に「優秀ではない」のでしょうか。


一昔前の住宅と比べれば、UA値0.87という性能は決して悪いものではありません。

少なくとも、平成初期。2000年代初頭の住宅から見れば、とても大きな進歩です。


問題は数字そのものではありません。住宅の価値を、性能の競争だけで語ってしまうことにあるのではないでしょうか。


もちろん、断熱性能は高い方が良いです。少なくとも私はそう考えます。

寒くないし暑くなりにくい家で少ないエネルギーで暮らせる家は、間違いなく良い家に近づきます。


けれど、住宅は性能値を達成するためだけの箱ではありません。


窓から見える庭も季節を感じる空気感も、手触りの良い床も居心地のよい家具も、

家族の距離感も朝の光の入り方も夕方に腰掛けたくなる場所も…


そうしたものも、同じくらい住まいの質を決めています。


限られた予算の中で、すべてを最高性能に振り切ろうとすると、どこかにしわ寄せが生まれます。

断熱材を厚くする。窓を小さくする。設備を上位仕様にする。(いっぱいお金があれば別ですが…)


その結果として、家具や外構、照明、素材、空間の余白が削られていくのであれば、それは本当に豊かな住まいづくりと言えるのでしょうか。


最悪それ自体、手の届かない特別な人しか住めない贅沢品になる可能性があります。


私は高性能住宅を否定したいわけではありません。

いや…むしろ、自分自身は高性能住宅全振りで設計している側にいます。


ただ、性能は目的ではなく手段だと考えています。

お財布に優しく尚且つ暮らしを快適にするための手段であり、生活の自由度を上げるための土台です。


性能値を上げるために暮らしの質を下げてしまうなら、それは本末転倒ではないでしょうか。


UA値0.87は、今の高性能住宅の世界では物足りないと言われるかもしれません。

けれど、暮らしのデザインという観点で見れば、十分に優秀な住まいになる可能性があります。


大切なのは、UA値0.87か、0.46か、0.25かという数字だけではありません。


その性能がその家族の暮らしに対して適切なのか。その数値を得るために、何を得て、何を失っているのか。そこまで考えることが、設計の仕事なのだと思います。


住宅は競争ではなく、誰かの性能値に勝つためにつくるものでもありません。


求める暮らしに対して、どこにお金をかけ、どこに余白を残し、どこまで性能を高めるのか。


そのバランスを丁寧に考えた先に、本当に優秀で評価される住まいがあるのだと思います。


そう考えると、UA値0.87は優秀なのか、悪いのかという問いの答えは単純ではありませんね。


性能値としては、難しく考えることなくもっと上を目指せます。


でも、暮らしの設計としては、十分に優秀にもなり得ます。


数字を見ることは大切ですけれど、数字だけを見てはいけません。


住まいの本質は、いつもその先にあるのだと思います。


ぼそぼそ...


 
 

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